2012-01-01から1年間の記事一覧

映画評「巴里の女性」

製作国アメリカ 原題「A WOMAN OF PARIS: A DRAMA OF FATE」 チャールズ・チャップリン・プロダクション製作 ユナイテッド・アーティスツ配給。 監督・製作・脚本・編集チャールズ・チャップリン 撮影ローランド・トザロー、ジャック・ウィルソン 編集モンタ・ベ…

映画評「偽牧師」

製作国アメリカ 原題「THE PILGRIM」 チャールズ・チャップリン・プロダクションズ製作 アソシエイテッド・ファースト・ナショナル・ピクチャーズ配給 監督・製作・脚本・編集チャールズ・チャップリン 撮影ローランド・トザロー 美術チャールズ・D・ホール 出…

映画評「THE FORBIDDEN TRAIL」

製作国アメリカ サンセット・プロダクションズ製作 エイウォン・フィルム配給 監督・脚本・編集ロバート・N・ブラッドベリ 製作アンソニー・J・ジディアス 撮影バート・ロンゲネッカー 出演ジャック・ホクシー、エヴリン・ネルソン、フランク・ライス、ウ…

映画評「LOST, STRAYED OR STOLEN」

製作国アメリカ マロビー・プロダクションズ製作 パテ・エクスチェンジ配給監督・脚本フォード・ビーブ 監督・脚本・出演レオ・D・マロニー 撮影アルフレッド・H・レイサム出演ポーリン・カーリー、バッド・オズボーン、トム・グライムス 愛する女性の弟を…

映画評「スザンナ」

製作国アメリカ 原題「SUZANNA」 マック・セネット・コメディーズ製作 アライド・プロデューサーズ・アンド・ディストリビューターズ・コーポレーション配給 監督F・リチャード・ジョーンズ 製作・脚本マック・セネット 原案リントン・ウェルズ 出演メイベ…

映画評「臨時雇の娘」

製作国アメリカ 原題「THE EXTRA GIRL」 マック・セネット・コメディーズ製作 アソシエイテッド・エキジビターズ、パテ・エクスチェンジ配給監督F・リチャード・ジョーンズ 製作・脚本マック・セネット 脚本バーナード・マッコンヴィル出演メイベル・ノーマ…

映画評「唖も語る(意気天を衝く)」

製作国アメリカ 原題「LITTLE CHARCH AROUND THE CORNER」ワーナー・ブラザース・ピクチャーズ製作・配給監督ウィリアム・A・サイター 原作マリオン・ラッセル 脚本オルガ・プリンツロウ出演クレア・ウィンザー、ケネス・ハーラン、ホバート・ボズワース、…

映画評「SLOW AS LIGHTNING」

製作国アメリカ サンセット・プロダクションズ製作 AYWON FILM配給監督グローヴァー・ジョーンズ 製作アンソニー・J・ジィディアス 原作スザンヌ・エイヴリー脚本バド・バルスキー 出演ケネス・マクドナルド、ビリー・ジョーンズ、エドナ・ペニントン 株式…

映画評「密偵ハラデン」

製作国アメリカ 原題「HALDANE OF THE SECRET SERVICE」フーディーニ・ピクチャー・コーポレーション製作 フィルム・ブッキング・オフィシズ・オブ・アメリカ配給監督・出演ハリー・フーディーニ出演グラディス・レスリー、ウィリアム・ハンフリー、リチャー…

映画評「BROKEN HEARTS OF BROADWAY」

製作国アメリカ アーヴィング・カミングス・プロダクションズ製作監督・製作アーヴィング・カミングス 脚本ルイス・D・ライトン、ホープ・ローリング出演コリーン・ムーア、ジョニー・ウォーカー、アリス・レイク、タリー・マーシャル、ケイト・プライス ブ…

映画評「法に泣く女」

製作国アメリカ 原題「WITHIN THE LAW」 ジョセフ・M・シェンク・プロダクションズ製作 アソシエイテッド・ファースト・ナショナル・ピクチャーズ配給監督フランク・ロイド 製作・出演ノーマ・タルマッジ 原作ベイヤード・ヴェイラー 脚本フランセス・マリ…

映画評「売られ行く魂」

製作国アメリカ 原題「SOULS FOR SALE」 ゴールドウィン・ピクチャーズ・コーポレーション制作・配給監督・脚本・製作ルパート・ヒューズ 出演エレノア・ボードマン、フランク・メイヨ、リチャード・ディックス 結婚詐欺師に騙されて結婚し、田舎からカリフ…

映画評「SALOME」

製作国アメリカナジモヴァ・プロダクションズ製作 アライド・プロデューサーズ・アンド・ディストリビューターズ・コーポレーション配給監督チャールズ・ブライアント 製作・出演アラ・ナジモヴァ 原作オスカー・ワイルド 脚本・美術・衣装ナターシャ・ラン…

映画評「スカーラムーシュ」

製作国アメリカ 原題「SCARAMOUCHE」 メトロ・ピクチャーズ・コーポレーション製作・配給監督・製作レックス・イングラム 原作ラファエル・サバティーニ 脚本ウィリス・ゴールドベック 撮影ジョン・F・サイツ 出演ラモン・ノヴァロ、アリス・テリー、ルイス…

映画評「西班牙の踊り子」

製作国アメリカ 原題「THE SPANISH DANCER」 フェイマス・プレイヤーズ=ラスキー製作 パラマウント・ピクチャーズ配給監督・製作ハーバート・ブレノン 原作アドルフ・ダンヌリー、フィリップ・デュマノアール 脚本ジューン・マシス、ビューラ・マリー・ディ…

映画評「大地震」

製作国アメリカ 原題「THE SHOCK」 ユニヴァーサル・ピクチャーズ製作・配給監督ランバート・ヒルヤー 製作カール・レムリ 原作ウィリアム・ダドリー・ペリー 脚本チャールズ・ケニヨン出演ロン・チェイニー、ヴァージニア・ヴァリ、ジャック・モワー、ウィ…

映画評「白虎」

製作国アメリカ 別題「ホワイト・タイガー」 原題「WHITE TIGER」 ユニヴァーサル・ピクチャーズ製作・配給監督・脚本トッド・ブラウニング 脚本チャールズ・ケニヨン出演プリシラ・ディーン、マット・ムーア、レイモンド・グリフィス、ウォーレス・ビアリー…

映画評「ノートルダムのせむし男」

製作国アメリカ 原題「THE HUNCHBACK OF NOTRE DAME」 ユニヴァーサル・ピクチャーズ製作・配給監督ウォーレス・ワースリー 製作カール・レムリ、アーヴィング・サルバーグ 原作ヴィクトル・ユーゴー 脚本パーレー・プーア・シーハン、エドワード・T・ロウ・…

映画評「幌馬車」

製作国アメリカ 原題「THE COVERED WAGON」 フェイマス・プレイヤーズ=ラスキー・コーポレーション製作 パラマウント・ピクチャーズ製作・配給監督ジェームズ・クルーズ 製作ジェシー・L・ラスキー 原作エマーソン・ハウ 脚本ジャック・カニンガム 撮影K・…

映画評「メリー・ゴー・ラウンド」

製作国アメリカ 原題「MERRY-GO-ROUND」 ユニヴァーサル・ピクチャーズ製作・配給監督ルパート・ジュリアン 製作アーヴィング・サルバーグ 脚本ハーヴェイ・ゲイツ、フィニス・フォックス 撮影チャールズ・E・カウフマン、ウィリアム・H・ダニエルズ出演メア…

映画評「ホワイト・ローズ」

製作国アメリカ 原題「THE WHITE ROSE」 D・W・グリフィス・プロダクションズ製作 ユナイテッド・アーティスツ配給監督・製作・脚本D・W・グリフィス 撮影G・W・ビッツァー 美術チャールズ・M・カーク出演メイ・マーシュ、キャロル・デンプスター、アイヴァ…

映画評「十誡」

製作国アメリカ 原題「THE TEN COMMANDMENTS」 パラマウント・ピクチャーズ製作・配給 フェイマス・プレイヤーズ=ラスキー・コーポレーション製作監督・製作セシル・B・デミル 脚本ジャニー・マクファーソン 編集アン・ボーチェンズ 美術ポール・アイリブ …

その他の日本映画 1923年

後に東宝の副社長を務めることになる森岩雄は、1922年に宣伝映画製作を目的にした中央映画社を設立していたが、関東大震災の影響を受け、外国映画輸入を行うようになった。森の周囲には岩崎昶などの若き映画青年が集っていたという。 八千代生命が宣伝映画製…

輸入映画−1923年 アメリカ映画が席巻

1923年には下記のような映画が公開されている。 「愚かなる妻」「ユーモレスク」「ゼンダ城の虜」「血と砂」「ロビン・フッド」「人間苦」「オーバ・ゼ・ヒル」「乗合馬車」「嵐の孤児」「サロメ」「偽牧師」「豪勇ロイド」「センチメンタル・トミー」「跫音…

キネマ旬報も関西へ 関東大震災の影響で

映画雑誌の「キネマ旬報」も、関東大震災の影響で関西に拠点を移している。11月21日号から復活し、パラマウントが記念に7ページの広告を出してくれたという。 この頃から執筆者名を必ず入れるようになり、キネマ旬報の特色となっていく。また、後年名物…

記録映画と小型映画 1923年(日本)

1923年9月に起こった関東大震災を記録した作品が残されている。「関東大震大火実況」(企画 文部省 製作 東京シネマ 撮影 白井茂)がそれで、震災の翌日から3日間撮影が行われた。焼死体なども撮影され、即物的な視線が記録性を高めているという。 大正末期…

帝キネへの伊藤大輔の加入

帝国キネマ(帝キネ)は、1923年5月に兵庫県芦屋に現代劇専用の撮影所を作り、「愛の扉」「森訓導鉄路の露」といった女形なしの作品を撮り始めていた。また、国活の瓦解で閉鎖になった巣鴨撮影所を利用し、東京進出を果たし、伊藤大輔や帰山教正を獲得してい…

会社を超えた時代劇の変化

寿々喜多呂九平脚本の「浮世絵師・紫頭巾」(1923)や松竹蒲田で作られた伊藤大輔脚本の「女と海賊」(1923)は、それまでの尾上松之助の映画とは異なったタイプの時代劇を目指した。そして、忠義を第一とした時代劇から離れた反逆的時代劇とも言える作品が作ら…

「浮世絵師・紫頭巾」と寿々喜多呂九平の衝撃

「浮世絵師・紫頭巾」(1923)は、マキノプロダクション製作、総指揮牧野省三、監督金森万象、原作・脚本寿々喜多呂九平で作られた作品である。 旧劇の古い型から脱出した颯爽とした作品であり、快適なテンポや探偵趣味的といったアメリカの活劇を取り入れたス…

マキノ映画と寿々喜多呂九平と阪東妻三郎

牧野省三は脚本を重視したことで有名だが、そんな牧野の期待にこたえた脚本家が寿々喜多呂九平と言える。 「浮世絵師・紫頭巾」(1923)は、寿々喜多の脚本家デビュー作である。寿々喜多は、主役を阪東妻三郎に回すように牧野省三に進言した。だが、メーク・ア…