2012-02-01から1ヶ月間の記事一覧

 「ロジタ」 メアリー・ピックフォードの脱皮の試み

「ロジタ」(1923)は、メアリー・ピックフォードがエスメラルダ、カルメン、陽気な未亡人などを演じた超大作である。監督は、ドイツから招いたエルンスト・ルビッチが担当した。当初は歴史物の「ドロシー・ヴァーノン」を企画し、以後現代的な若い女性を…

 少女役から脱皮できないメアリー・ピックフォードの苦しみ

アメリカを代表する女優として活躍していたメアリー・ピックフォードだったが、30歳を超えたこの頃になっても、少女の役ばかり演じていた。大人の女優への脱皮を図りたいと考えていたピックフォードは、1923年に演じて欲しい役柄をファンから募集して…

 リリアン・ギッシュの1人立ち 「ホワイト・シスター」

かつての地位を失いつつあったD・W・グリフィス作品の主演女優だったリリアン・ギッシュは、イタリアを舞台にした恋愛物語で、実際にイタリアで撮影が行われた「ホワイト・シスター」(1923)を製作・出演している。 この作品はリリアンと同じくグリフ…

 「ノートルダムのせむし男」 ロン・チェイニーの真骨頂

後に「フリークス」(1932)という問題作を監督するトッド・ブラウニングは、インドシナ半島で麻薬の王国を築き上げた麻薬の女王の冒険物語である「妖雲渦巻く」(1923)や、ヨーロッパからやってきた詐欺師集団の物語「白虎」(1923)などを監督…

 アメリカ映画史上最初の叙事詩西部劇「幌馬車」

西部へと向かう幌馬車隊の人びとのドラマや恋愛を、インディアンによる襲撃、大河川の横断、飢えとの戦いといった西部劇の定石で描く「幌馬車」(1923)が製作されている。「幌馬車」は後に1ジャンルとなるロード・ムービー的な側面も持っている。 パラ…

 シュトロハイムの苦難の始まり 「メリー・ゴー・ラウンド」

「愚なる妻」(1922)で興行的なヒットを飛ばしながらも、その完璧主義から多額の製作費を使う監督というレッテルを貼られたエーリッヒ・フォン・シュトロハイムは、遊技場のオルガン回しの娘と伯爵の恋を描く「メリー・ゴー・ラウンド」(1923)を…

 映画監督ジョン・フォードの誕生

後に「西部劇の神様」と呼ばれる大監督となるジョン・フォードは、ユニヴァーサルで二巻ものの西部劇を多く演出していた。フォックス社では西部劇スターのトム・ミックス主演作のほか、西部劇ではないジョン・ギルバート主演の「侠骨カービー」(1923)を…