イタリア ダンヌンツィオの影響
高い独創性、力強さおよびデカダンスが当時高く評価されていたガブリエーレ・ダンヌンツィオは史劇のみではなく、イタリア映画全般に影響を与えていた。
ダンヌンツィオのイタリア映画の影響について、吉村信次郎が「世界の映画作家32 イギリス映画 イタリア映画」で、次のように指摘している。
「時代の風潮がまさにダンヌンツィオに象徴されていたということである。彼はその時代の好みと理想を体現していた」
「ごく普通の事件がダンヌンツィオの手にかかるとたちまち人生の宿命と情熱の大ドラマと化し、その語り口の壮麗さ、美々しさは、変転する運命に一層の哀歓をそえる」
現代劇もダンヌンツィオ風の語り口を好み、原作が外国でも最後にはダンヌンツィオ風になる作品も多くあったと言われている。
(映画本紹介)
「世界の映画作家32 イタリア映画史/イギリス映画史」(キネマ旬報社)
イタリアとイギリスの草創期から1970年代までの歴史の把握には最適の1冊。
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