東への道 の検索結果:

映画評「カトリーヌ」

…・ギッシュで言えば「東への道」(1920)が最も思い出される。カトリーヌの不幸な境遇は、多くのピックフォード作品に共通するものだ。 ではそのカトリーヌが、ギッシュやピックフォードと同じくらいの魅力を放っているかというと、個人的にはあまり感じられなかった。いつも困ったような表情のカトリーヌには、ギッシュのような毅然さも、ピックフォードのような明るさもない。それでも、美人とはいえないカトリーヌのクロース・アップを、これでもかというほど見せつける。しかも、クロース・アップのショット…

ソ連映画 「キノ・プラウダ」「キノ・グラース」 ジガ・ヴェルトフの映画製作

…を効果的に撮影した「キノ・プラウダ」を製作している。またヴェルトフはドキュメンタリー映画「キノ・グラース(映画眼)」(1924)も製作している。 ヴェルトフは、D・W・グリフィスが「東への道」(1920)で描き出したように、違う場所、違う時間の映像をモンタージュして1つの場所、1つの時間を作り出した。さらに、存在しない理想的な人物をモンタージュで作れる(別人の目・鼻・口・手・足をつなげる)とも考えた。また、字幕をモンタージュの要素として利用し、移動撮影にも価値を置いたという。

映画評「MOTHER'S JOY」

…・W・グリフィスの「東への道」(1920)だろう。 ローレルは、駆け落ち相手、孫の赤ちゃん時代、成長した姿と何役も演じている。といった点以外は、あまり見所はないが、ラストがいい。お互いに嫌いだと宣言した2人だが、渋々結婚を認める。だが、牧師が「自分はこの2人が嫌いだ!」といって結婚の承認を拒否するのだ。 ちなみに、ローレルの結婚相手を務めるメイ・ローレルは、ヴォードヴィル時代からローレルと一緒に舞台に立っていた女性だ。2人は結婚しようとしたが、メイは出身地のオーストラリアで結…

映画評「空中結婚」

…空を飛んでいく。カヌーには気球がつけられていたというオチ。D・W・グリフィスの「東への道」(1920)を茶化したかのようなこのオチは、なかなか秀逸だ。 キートンのアクロバットはあまり見られないが、アイデアが冴えた作品だ。バスター・キートン THE GREAT STONE FACE DVD-BOX 【初回生産限定】出版社/メーカー: IVC,Ltd.(VC)(D)発売日: 2010/12/17メディア: DVD購入: 1人 クリック: 7回この商品を含むブログ (9件) を見る

映画評「ホワイト・ローズ」

…ンの「緋文字」に、「東への道」(1920)をプラスしたようだ。グリフィスの世界観が凝縮された内容である。人間は清く正しく生きなければならない。だが誰にも失敗はあるので、寛容でなければならない。「イントレランス」以後のグリフィスの作品には多かれ少なかれ、そうしたメッセージが込められている。その意味で、「ホワイト・ローズ」は、まさにグリフィスの作品なのだ。 こうしたグリフィスのメッセージは当時において時代遅れであり、それゆえに観客が離れていったと言われる。だが、映画という媒体を使…

 輸入映画、記録映画、ニュース映画−1922年

…人」「散り行く花」「東への道」「黙示録の四騎士」「かげろふの命」 「愚か者の楽園」「シーク」「アナトール」「豪傑ベン・タービン」 スウェーデン:「不滅の霊魂」 イタリア:「赤と黒」 ドイツ:「影を失へる男」「ゲニーネ」「パッション」「朝から夜中まで」 この中で、D・W・グリフィス監督の「散り行く花」は、日本では1万2千円の権利金を出す会社がなく、小林勇吉や藤浪無鳴らが同士を集めて買い入れて公開された。 ちなみに、当時の日本では著作物に対する保護法令がなく、正規に輸入したフィル…

 映画評「乗合馬車」

…花」(1919)や「東への道」(1920)に出演し、演技を認められてスターとなっていたバーセルメスは、ヘンリー・キングらと共に映画製作会社インスピレーション・ピクチャーズを設立していた。そこで作られたバーセルメスの最初の主演作である。1921年当時、バーセルメスは26歳、キングは25歳だった。2人の若者たちのチャレンジの結晶とも言える作品だ。 バーセルメスが得意とした純朴な青年が、成長を果たしていく物語とも言える。今の観点から見ると、バーセルメス演じるデイヴィッドはいい子過ぎ…

 映画評「夢の街」

…く花」(1919)「東への道」(1920)「嵐の孤児」(1921)といったヒット作・話題作を送り出しながらも、製作費を顧みない映画製作により、経済的には苦しかったのだ。内容的にも、グリフィスの説教臭いメッセージは、徐々に大衆に背を向けられ始めていたという。 「夢の街」は説教臭い作品だ。冒頭では「善と悪」についての長い字幕を見せられ、善と悪を象徴する人物(牧師とバイオリン弾き)が、主要登場人物たちの葛藤を表現するために登場する。この分かりやすい説教臭さは、グリフィス作品の特徴で…

 映画評「嵐の孤児」

…く花」(1919)「東への道」(1920)といったメロドラマを見事に映画にしている。いずれもリリアン・ギッシュという、純粋な愛情を表現することにかけては右に出るもののいない(少なくともサイレント期においては)稀有の女優を得ることで、後世まで語り継がれる作品となっている。 「嵐の孤児」は同時に歴史大作でもある。フランス革命を舞台に選び(ストーリーやキャラクターは舞台劇とチャールズ・ディケンズの「二都物語」からとっているが、フランス革命を選んだのはグリフィスだ)、セットや衣装にも…

 「嵐の孤児」とグリフィス=ギッシュコンビの解消

…万ドルを費やした。「東への道」(1920)のヒットで、多額の製作費を使うことが出来たために可能だったといわれる。 撮影はグリフィスの長年の相棒であるビリー・ビッツァーに加えて、ヘンドリック・サートフが担当した。撮影が進むにつれて、サートフの影響力が大きくなっていったという。そのことに不満を持ったビッツァーは、ある日から撮影に来なくなってしまったと言われる。 「嵐の孤児」の撮影中にリリアン・ギッシュとグリフィスの間で意見の相違があった。リリアン演じる主人公が妹と再会するシーンで…

 映画評「シャボンの泡」

…じ不幸な境遇の女性で比較すると、同年に公開されたD・W・グリフィス主演の「東への道」(1920)に主演したリリアン・ギッシュの方がしっくりくる。もちろん、「シャボンの泡」は不幸一辺倒ではなく、コメディの要素もふんだんに盛り込まれているため、どちらの演技が優れているという比較は難しい。それでも、「シャボンの泡」の方が、力が入った演技であるとは言えるだろう。 決してつまらない作品ではない。だが、ピックフォードの気合が、映画の内容を味わう楽しさを奪ってしまっているかのような作品だ。

 映画評「東への道」

…1919)の次には「東への道」(1920)にぶつかる。しかし、グリフィスは「散り行く花」の次に「東への道」を監督したわけではない。2本の間には、リリアン・ギッシュが主演した「大疑問」(1920)や、リチャード・バーセルメスが出演した「愛の花」(1920)といった作品を製作している。これらの作品よりも、「東への道」が有名な理由としては、「東への道」が興行的にもヒットした作品であり、内容的にも評価が高いという点が挙げられる。 当時、グリフィスは自らも創設に関わったユナイテッド・ア…

 リチャード・バーセルメス 親切で単純なアメリカの田舎青年

「東への道」の中で、リリアン・ギッシュとともに触れなければならない人物は、リチャード・バーセルメスだろう。親切で単純なアメリカの田舎青年という役柄を演じたバーセルメスは、以後もこの役柄を代名詞にスターとなっていく。そんなバーセルメスはD・W・グリフィスの元を去り、監督のヘンリー・キングと共に独立プロダクションを設立している。 バーセルメスは、この当時のグリフィスお気に入りの男優だが、数年前までバーセルメスの立場にいたのがボビー・ハーロンだった。そのハーロンが、「東への道」が完…

 「東への道」のリリアン・ギッシュ セックスさえも純化した愛に

…ていくのが分かる。「東への道」のリリアン・ギッシュの演技については、アレキザンダー・ウォーカーが「スターダム」の中で次のように語っている。 「彼女はこのような瞬間(「東への道」の死んだ赤ん坊への洗礼シーン)を特別な見せ場ではないところに、ごくさり気なく単なる型通りの形式を越えて作り出すことができた」 ウォーカーが語っているように、リリアン・ギッシュの演技は「東への道」の全体にわたって魅力を増すことに成功しているように感じられる。 余談だが、テネシー・ウィリアムズは「欲望という…

 D・W・グリフィス 「東への道」と映画への情熱

…ことがなかったが、「東への道」はアンソニー・ポール・ケリーという人物を1万ドルで起用した。だが、撮影の際には結局ほとんど使われなかったという。 撮影は、吹雪の撮影も含めてロケ中心で行われ、8ヶ月かかった。完成版のフィルムは4千メートルだったが、撮影には7万6千メートルのフィルムを費やしたと言われている。撮影吹雪のシーンが不可欠だったため、グリフィスは「吹雪にならなかったときのための保険」に加入したと言われている。また、主要キャストの生命保険に加入したという。実際、吹雪の撮影で…

 映画評「スージーの真心」

…花」(1919)や「東への道」(1920)が有名だ。だが、この作品もまた地味ながらしっかりとした作品である。 ギッシュが演じる幼馴染みを思い続けるキャラクターは、あまりにもいい娘すぎる。正直言って古臭いとも言えるし、見ていてイライラしてくるほどだ。グリフィスはイノセントな女性像を好んでいたことは知られており、そのことがセシル・B・デミルのセックス・アピール映画の人気に象徴される時代の変化についていけなかったとも言われている。だが、グリフィスが理想とした女性像は、リリアン・ギッ…

 D・W・グリフィスの作品 1913年(4)

…いる。特に展開が、「東への道」(1920)に似ている。そして、そのギッシュが素晴らしい。 まずはその表情。夫が浮気しているのではないかという疑念の表情、夫との離婚を決意したときの決然とした表情、生まれたばかりの子供を失ったときの呆然とした表情・・・といった表情が一言では言い表せない多様な感情をたたえてギッシュの顔に浮かぶ。 ギッシュの演技の素晴らしさはグリフィスの演出の素晴らしさによっても引き立てられている。夫が浮気相手と密会するのを見つけた後のギッシュの表情は、木に隠れてよ…