イギリス Cricks & Martin Filmsの作品 1907年
「A VISIT TO PEEK FREAN AND CO.'S BISCUIT WORKS」
イギリスのビスケット工場の労働風景を撮影したドキュメンタリー。
会社のPR用映画として作られたのだろう。PR映画と聞くとつまらなく聞こえるかもしれないが、この作品はおもしろい。ビスケットが作られ、出荷されるまでの様子が描かれるだけなのだが、当時の労働の様子が分かるのがおもしろい。例えば、生地をビスケットの形にくりぬいたり、くりぬかれたビスケットを均等にオーブンの皿の上に並べるといった今では機械化された仕事を見るだけでも、おもしろい。労働者たちの服装が、比較的フォーマルな感じなのも見ていて、おもしろい。それはもう、「見たことがないものを見る」という小学生の頃の工場見学のようなおもしろさがここにはある。
演出も適切だ。ディープフォーカスで撮られた映像は、工場の奥まできっちりと見せてくれる。ビスケットがラインに乗って流れる様子は、ゆっくりとした移動撮影で見せてくれる。
もちろん、会社側は都合の良いところしか見せないだろうし、この映画で描かれているものだけが現実ではないのだろうが、それを置いておいても、この作品には工場見学のようなおもしろさがある。しかも、この映画がなければ、私たちは1907年当時のビスケット工場の見学などできないのだから、この作品は貴重だ。
(DVD紹介)
「The Movies Begin - A Treasury of Early Cinema, 1894-1913」
初期の映画を多く見ることができる5枚組みのDVD。リュミエール兄弟、エジソン社、ジョルジュ・メリエスを始め、イギリスのブライトン派と呼ばれた人々など、日本ではなかなか見ることができない作品を見ることができる。
アメリカのamazonから輸入して買うことができるが、もちろん英語。それでも買いたいと思う人は、下記サイトが参考になります。
http://dvd.or.tv/
注意!・・・「リージョン1」のDVDです。「リージョン1」対応のプレイヤーが必要です。注意!・・・「リージョン1」のDVDです。「リージョン1」対応のプレイヤーが必要です。