2012-04-01から1ヶ月間の記事一覧

 フランス ジャック・フェデーの映画製作「クランクビーユ」

1921年に「女郎蜘蛛」でヒットを飛ばしたジャック・フェデーは、「クランクビーユ」(1923)を監督している。 パリの下町とスタジオで撮影された作品で、心理的要素によって法廷での場面が変形するといった工夫がされていた。また、影響力の大きい人…

 フランス アベル・ガンスの超大作「鉄路の白薔薇」

フランスを代表する映画監督となっていたアベル・ガンス監督の、「鉄路の白薔薇」(1923)が公開されている。製作に2年、製作費200万フランがかかった超大作である。娘として育てた血のつながっていない娘への愛情に悩む老機関士の心情を描いた作品…

 フランス映画 ジャン・エプスタンの活躍

ルイ・デリュックの提唱した映画独自の美を重視するフォトジェニー論を探求していたジャン・エプスタンは、秀抜なモンタージュの「まごころ」(1923)で評価を高めている。その他にも、「ラ・ベル・ニヴェルネーズ号」「赤い宿屋」「不実の山」(1923…

 その他のアメリカ映画 1923年

「冬来りなば」(1923)は、1922年最大のベストセラーとなったA・S・M・ハッチンスンの小説を映画化したもので、イギリスでロケ撮影された。理想主義の主人公が周りから誤解され、妻からさえ疎まれるようになる。病気になった主人公を慰めてくれ…

 ウォルト・ディズニーの出発 ウサギのオズワルド

第一次大戦後、カンザスシティで広告会社を始めていたウォルト・ディズニーは、映画館のコマーシャル用にアニメーションを製作していた。このアニメーションが好評で、短編アニメを映画館に売っていた。 1923年にディズニーは、広告会社を清算してハリウ…

 メイベル・ノーマンド人気の陰りと、その他のコメディ

マック・セネットの元で映画に出演していたメイベル・ノーマンドは、「スザンヌ」「臨時雇の娘」(1923)といった作品に出演したが、往年の人気を呼べずにいた。この後メイベルは、ハル・ローチ監督の短編コメディに出演してキーストン時代のような役柄を…

 キートン、ロイド 中産階級喜劇

かつてのキーストン喜劇が性を無秩序に描き、チャールズ・チャップリン甘い素直な恋の喜劇を描く中、バスター・キートンやハロルド・ロイドが出演する中産階級喜劇は、若い男女によって結婚をゴールにして描かれた。 そんなキートンやロイドの中産階級喜劇に…

 中産階級の上昇志向 ハルロド・ロイドの「要心無用」

チャールズ・チャップリン、バスター・キートンと並ぶサイレント期の三大喜劇王と言われたハロルド・ロイドは、最初の大ヒット作である「要心無用」(1923)に出演している。デパート店員のロイドは、恋人と早く結婚したかったが、給料が安く生活は苦しか…