2010-12-01から1ヶ月間の記事一覧

 その他のフランス映画 1922年

「恋の凱歌」(1922)は、ツルゲーネフの小説「勝ち誇れる戀の歌」を映画化した幻想譚である。ヴィクトル・トゥールヤンスキー監督作で、ナタリー・コヴァンコが濃厚な演技を見せた。ルネサンス時代、美貌と淑徳に名高いヴァレリアを愛する2人の貴族が…

 アリス・ギィのフランス帰国

映画草創期からフランスのゴーモン社で女性監督として活躍し、結婚後はアメリカでも活躍したアリス・ギィが、夫との離婚を機に子供と共にフランスへ戻っている。 帰国後も、映画の仕事を得ようとするもその願いは叶わなかった。ギィはこの後、短編小説や童話…

 フランス印象派の雄マルセル・レルビエの「ドン・フアンとファウスト」

フランス印象派の1人と言われるマルセル・レルビエは、「ドン・フアンとファウスト」(1922)を監督している。ドン・ファンの若い頃から、最後には悔いて修道僧になるまでを描いている。 レンズの前に板状の氷を置いて、奇妙にデフォルメされた映像を得…

 フランス ジャン・エプスタンとフォトジェニー論

フォトジェニー論を提唱したルイ・デリュックが、「さすらいの女」(1922)を製作・監督している。1人の女性がかつて立ち去った家に戻り、30年前を回想する物語である。セリフを凝縮し、演技やセット・衣装で語ったという。批評家には好評だったが、ヒ…

 その他のアメリカ映画 1922年

新聞王として知られるウィリアム・ランドルフ・ハーストは、愛人であるマリオン・デイヴィスのための映画製作会社「コスモポリタン」を設立していた。「武士道華やかなりし時」(1922)は、コスモポリタンが製作してデイヴィスが主演を努めた作品で、1…

 スター達の活躍 1922年

自身のプロダクションを設立して映画製作を行っていたアラ・ナジモヴァは、イプセンの舞台を映画化した「人形の家」(1922)を製作している。監督は夫のチャールズ・ブライアンが担当し、ナジモヴァは主演のノラを演じた。 フランク・ロイド監督によるチ…

 ジェームズ・クルーズ 「幌馬車」への助走

ジェームズ・クルーズは、「魂の入替え」「剣の輝き」「ふるさとの家」(1922)といった作品を監督している。 「魂の入替え」は、ウィル・ロジャース主演のコメディである。心の弱い心霊学者ロジャースが、心霊会でトランス状態になり、今まで気づかなかっ…

 レックス・イングラムが、新スター「ラモン・ノヴァロ」を発掘

「黙示録の四騎士」(1921)で、ルドルフ・ヴァレンティノというスターを誕生させたレックス・イングラムは、アンソニー・ホープ原作小説の映画化である「ゼンダ城の虜」(1922)を監督している。某王国の王位を巡る陰謀活劇である。主演のルイス・…

 トッド・ブラウニング=プリシラ・ディーンのヒット・コンビ

後に問題作「フリークス」(1932)を監督するトッド・ブラウニングは、この頃は女優プリシラ・ディーンとのコンビでヒット作を送り出すヒット・メイカーだった。 ブラウニングとディーンのコンビ作である「二国旗の下で」(1922)は、ルドルフ・ヴァ…