2013-12-01から1ヶ月間の記事一覧

「ドロシー・ヴァーノン」と”少女女優”メアリー・ピックフォード

大人の女優への脱皮を目指していたメアリー・ピックフォードは、秘策としてドイツよりハリウッドへやって来ていたエルンスト・ルビッチ監督の「ロジタ」(1923)に出演するも失敗に終わっていた。 当初ピックフォードがルビッチに監督を依頼しようとしてい…

「ロモラ」 グリフィス抜きのリリアン・ギッシュの活躍

かつてコンビを組んでいたD・W・グリフィスが人気の面で堕ちぶれていくのとは対照的に、リリアン・ギッシュの人気は絶大だった。この年には、ヘンリー・キング監督の主演作「ロモラ」が公開されている。 「ロモラ」は前作「ホワイト・シスター」(1923)…

ハリー・ラングドン セネットが見つけた最後の大喜劇俳優

サイレント期に人気を博したコメディアンにハリー・ラングドンがいる。ヴォードヴィル出身のラングドンは、マック・セネットが見つけた最後の大喜劇俳優と言われる。若き日のフランク・キャプラがラングドンのギャグマンであり、監督を務めた。キャプラはハ…

「ロイドの初恋」「猛進ロイド」ハロルド・ロイド 平凡な青年の大活躍

愛する人を得るために平凡な青年が大活躍するという、アメリカ喜劇ではお馴染みの設定を生かした作品で人気を得たハロルド・ロイドは、愛する女性を結婚式場から奪うために自動車・馬車・バイク・電車などを使って突進する「猛進ロイド」(1924)や、「…

バスター・キートンの骨折とアーバックルの監督復帰

バスター・キートンは、「海底王キートン」「探偵学入門(忍術キートン)」(1924)に主演している。相変わらずの体を張った作品であり、「探偵学入門」の撮影に際して首の骨を折るが、そのときは気づかずに後年検査したときにわかったという。ちなみに、…

新スター、ラモン・ノヴァロの活躍

人気スターとなっていたラモン・ノヴァロは、「アラブ」(1924)や「紅百合」(1924)に出演している。 「アラブ」は、「黙示録の四騎士」(1921)を監督するなど、当時のハリウッドで有力な監督の一人だったレックス・イングラムが監督している…

ジョン・バリモアと美男スターたち

美男俳優として人気を得ていたジョン・バリモアは、「ボー・ブラムメル」(1924)に出演している。恋人が政略結婚を強いられて去ったために貴族への復讐を誓った平民ブランメルが、術策と自身の魅力を使って貴族たちの心をつかんでいくという内容で、バリ…

「ボーケール」 ルドルフ・ヴァレンティノの苦戦

ルドルフ・ヴァレンティノは、処遇への不満から所属していたパラマウントと裁判にまでなった後、映画製作について完全な支配権を得ることができるようになった。そして作られた「ボーケール」(1924)が公開されている。監督はシドニー・オルコットが担当…

ヴィクトル・シェーストレームのハリウッドでの出発

スウェーデンからハリウッドにやって来たヴィクトル・シェーストレームは、第1作としてアイルランドのマン島が舞台のホール・ケーン原作「男の名を言え」(1924)を監督。続いて、ロシアのペシミズムの巨匠レオニード・アンドレーフの劇の映画化であり…

「結婚哲学」 アメリカへ渡ったルビッチ・タッチ

エルンスト・ルビッチは、ドイツ時代の艶笑喜劇の世界を洗練させた「結婚哲学」(1924)をパラマウントで監督している。ルビッチはこの後、繊細な心理的表現とウィットに富んだ官能的表現によって独自の境地を開いていく。その手法は「ルビッチ・タッチ」…