ヴァイタグラフ社の作品「BILLY THE BEAR TAMER」

 製作国アメリカ ヴァイタグラフ・カンパニー・オブ・アメリカ製作 ジェネラル・フィルム・カンパニー配給
 監督リー・ベッグス 出演コンスタンス・タルマッジ、ビリー・クァーク

 当時ヴァイタグラフは、タルマッジとクァーク主演で多くの短編コメディを製作していた。この作品も、その1つ。タルマッジはこの後、D・W・グリフィス監督「イントレランス」(1916)出演などを経てスターとなっていくが、クァークは忘れられていく。

 ビリーとコニーは恋人同士だが、コニーの父親は2人の交際を反対している。父親に連れられてハンティングに行くコニー。それを知ったビリーは、熊の着ぐるみを着て森に人食い熊がいるように見せかけ、コニーを狂言誘拐する。

 キャラクターの魅力よりも、ストーリーで楽しませてくれるタイプの作品。その意味で、マック・セネットのキーストン社の作品とは好対照をなしている。 クァークが消えていった理由も、キャラクターに個性がなかったからかもしれない。突き抜けた面白さには欠けるものの、ちょっとした小話として楽しむことはできた。