映画評「NUGGET JIM'S PARDNER」

 製作国アメリ
 アメリカン・フィルム・マニュファクチュアリング・カンパニー製作 ミューチュアル・フィルム・カンパニー配給
 監督・脚本・出演フランク・ボーゼージ

 父親に勘当された青年が、西部へと流れ着く。そこで、金鉱掘りのジムと知り合い、2人とジムの娘の3人暮らしが始まる。

 後にアメリカを代表する監督の1人となるフランク・ボーゼージは、俳優として映画界に入っていた。この頃には、俳優兼監督として活躍しており、徐々に監督業に専念していくことになる。

 内容は正直、他愛もない。青年と金鉱堀りとジムと娘が仲良くなっていく過程は省かれている。内容的に、30分弱では描ききれないため、ダイジェスト版の印象だ。だが、ラストはいい。

 青年の父親は、青年を呼び戻す手紙を出す。手紙を見た青年は、ジムと娘に別れを告げて列車に乗る。だが、途中で青年は決意して走り出した列車から降りる。列車に残されたカメラは、列車の最後尾から降りた青年が遠ざかっていくのを捉える。見る者はカメラと一緒に、青年から離れていき、青年の物語からも遠ざかっていき、映画は終わる。

 ここには余韻がある。ただし、当時の多くのフィルムでもそうであるように、後に続くフィルムが失われてしまっただけかもしれないが。