キーストン社の作品「HER TORPEDOED LOVE」

 製作キーストン・フィルム・カンパニー トライアングル・フィルム・コーポレーション
 配給トライアングル・ディストリビューティング・コーポレーション
 監督フランク・グリフィン 出演ルイーズ・ファゼンダ フォード・スターリン

 悪い執事は仕えている主人を殺し、遺産が入った女性と結婚しようと企む。

 この映画の主人公は破壊だ。ルイーズ・ファゼンダやフォード・スターリングといった役者たちの姿よりも、破壊が強く印象に残っている。破壊のために、いろいろな工夫がされている。テーブルやイスは壊れやすくなっており、乱闘に粉々になってしまう。自動車が衝突する建物もバラバラになる。それが何とも言えない爽快感を生み出す。

 破壊のために小道具やセットが新しく作られていることは注目に値する。かつて登場人物の個性とちょっとしたアイデアと追っかけっこで1本の短編映画を製作されたコメディの世界は、コメディのために小道具やセットを作り上げるように変化しているのだ。