「FRAUDS AND FRENZIES」 ラリー・シーモン出演作

 製作国アメリカ ヴァイタグラフ・カンパニー・オブ・アメリカ製作・配給
 監督・製作・脚本・出演ラリー・シーモン 脚本C・グラハム・ベイカー 出演スタン・ローレル

 囚人のラリーとシンプは、刑務作業をさぼってばかりの上、看守の目を盗んで脱獄する。追ってきた看守から逃れながらも、かわいい女性ドリーを追いかけたりする2人。だが、ドリーは看守の娘で・・・。

 後にオリヴァー・ハーディとのコンビで一世を風靡するスタン・ローレルが、ラリー・シーモンと共演した作品である。ローレルは映画界入りしたばかりで、前半は2人が同じバランスで活躍するが、監督・製作・脚本も兼ねたベテランのシーモンの方が後半は目立っている。

 シーモンとハーディのやり取りは、映画ならではの映像トリックを武器にするシーモン作品には少ない掛け合いや追っかけを見せてくれる。2人の息は合っており、それなりに楽しいものの、それなりに楽しい程度だ。

 後半の見どころは、シーモンが巨大クレーンに吊られるという大規模なスタント・シーンだ。この後のシーモン作品のような爆破などを交えた派手さはなく、シーモンが吊るされる(おそらくスタントマン)ショットが遠くから取られているのみだ。とはいえ、当時の作品群の中で、こうしたショットは珍しいこともあり、印象に残るものとなっている。