映画評「贈り物」

[製作国]アメリカ [原題]IT'S A GIFT [製作]ハル・ローチ・ステュディオズ [配給]パテ・エクスチェンジ

[監督]ヒュー・フェイ [製作]ハル・ローチ [出演]スナブ・ポラード、マリー・モスキーニ、ウィリアム・ギレスピー

 発明家のポラードが開発した新タイプのガソリンを見たいと、石油会社からの手紙が届く。ポラードは大喜びで、強力磁石を使って他の車に引っ張ってもらう車に乗って出かける。

 アイデアに満ち溢れた楽しい作品。冒頭の石油にまつわる詐欺についての説明映像のテンポの良さとナンセンスさが、まず楽しい。続いての、ヒモを引っ張ると朝食が出来あがったりするポラードの部屋のシークエンスは他の作品にも見られるものだが、強力磁石を手に持って他の車に引っ張ってもらう車の楽しさは、良く言えば省エネ、悪く言えば怠け者っぷりが良く現れたギャグだ。

 途中で溺れている人を助けようとする警官に、「私が発明した水上靴を履きなさい」と渡すも、あっさり警官は水没。ポラードがどうするのかと思いきや、走って逃げる!ポラードの適当ぶりが楽しい。

 ようやく石油会社にポラードが開発したガソリンを渡し、車に入れてみると、車はコントロール不能になる。そして、最後は大爆発。ここでも、コマ落としといったトリック撮影を取り入れつつも、大爆発の後はビルの上でハンドルだけを持って運転する男のショットにつなげるという定番ギャグも織り交ぜている。

 アイデアの勝利である。