映画評「THE FRAIDY CAT」

※ネタバレが含まれている場合があります

[製作国]アメリカ [製作]ハル・ローチ・ステゥディオズ [配給]パテ・エクスチェンジ

[監督]ジェームズ・パロット [製作]ハル・ローチ

[出演]チャーリー・チェイス、ベス・ダーリントン、アール・モーハン、ジョー・コブ、ミッキー・ダニエルズ

 弱気なジミーは、恋のライバルである男のみならず、近所の子供たちにまで小突き回されている。だが、医者の言葉を聞き間違えて1週間で死ぬと思い込んだジミーは、「男らしく死にたい」と自分を小突き回した連中に復讐を始める。

 チャーリー・チェイスがジミー・ジャンプの役名で主演したコメディ・シリーズの1つ。ハロルド・ロイドを思わせるキャラクターで、「魔法のお守り」をもらって弱気な主人公が勇気をもらう「豪勇ロイド」(1922)に展開も似ている。10分程度の作品だが、ストーリーはうまく展開されている。

 途中には、愛する女性ドロシーに告白できないジミーだが、恋人に愛を囁く男の言葉が近くから聞こえてきたおかげで、ジミーが告白をしてくれたとドロシーが勘違いしてくれるというギャグが盛り込まれていたりと、短編時代のチェイスの作品の中ではよくできている部類に入るかもしれない。だが、あくまでも「短編時代のチェイスの作品の中で」という注意書きが必要で、個性や飛び抜けた面白さがない分、少し物足りなさを感じてしまった。