映画評「GOING TO CONGRESS」

※ネタバレが含まれている場合があります

[製作国]アメリカ  [製作]ハル・ローチ・ステゥディオズ [配給]パテ・エクスチェンジ

[監督]ロブ・ワグナー [製作]ハル・ローチ [撮影]ロバート・ドーラン

[出演]ウィル・ロジャース、モーリー・トンプソン、マリー・モスキーニ、ウィリアム・ギレスピー

 選挙に当選してワシントンへ向かうことになったアルファルファは、ことあるごとに国会議員であることを自慢する。

 アメリカを代表する知識人となるウィル・ロジャースは、当時ハル・ローチのスタジオで短編コメディに出演していた。一部の人々によって候補者に仕立て上げられるという展開、当時まだ尾を引いていたハーディング政権による汚職事件を思わせる政治不信、国会議員になった途端に高慢になるアルファルファなど、政治に対する風刺に満ちた作品となっている。ユーモア溢れる語り口で、コラムや講演で人気を得たロジャースらしい作品といえる。

 映画としてみると、ロジャースらしさが大量の字幕につながっている。大量の字幕は、時にサイレント映画のテンポを悪くする。残念ながら、この作品は大量の字幕の餌食になっている。だが、ロジャース流のウィットに富んだ字幕なので、凡百の字幕と一緒にしてはいけないのだろう。

 後半は飛行機を使ったシーンが見所だが、カットが割られすぎて、迫力が削がれてしまっているのが残念。