リュミエール社作品集(56)

「海の散歩から戻る」(1896)

 シオタ。戻ってくるボートと、それを待っていた人々の様子を撮影。
 待っている男性が、いささか慌てているように見えるのは、人々の後ろに見える波がやや高いので、心配していたのだろうか。


「高等馬術2」

 リヨン。馬をその場でグルグル回し、最後には前足を片方上げさせポーズを取らせる。
 リュミエール家の知人のサーカス団員が出演している。
 リュミエール家は顔が広い。写真業界だけではなく、マジシャンのトレウェーやこの作品に登場しているサーカス団など、興行界にも顔が広い。この顔の広さが、シネマトグラフの普及に役だったのだろうか?


シェルブールロシア皇帝と共和国大統領の大広間入室」(1896)

 フランスを訪れたロシア皇帝が船から降りる様子を撮影。
 恐らくセキュリティの問題からだろうが、少し離れたところから撮影しているので、誰がロシア皇帝と大統領なのかよくわからない。
 国家元首を撮影したものの多くは、離れたところから撮影されているものが多く、この作品のように誰かわからないものがほとんど。


「樽ボクシング」(1897)

 樽に入った状態でボクシングをする様子を撮影。
 おそらく、舞台で同じような芸が演じられていたのではないかと思われる。


「アレクサンドル3世橋の全景」(1900)

 橋とつながっている通りの様子を撮影。