リュミエール社作品集 まとめ(1)

 リュミエール社の作品はカタログに記載されているもので、約1400本ある。カタログ未記載の作品もあるので、総本数はもっと多くなる。しかも、驚くべきことに、そのほとんどが現存しているのである。同時期に制作された他の会社のフィルムがかなり消失してしまっているという現状からすると、驚異的なことだ。

 作品の管理が行き届いていたことは、リュミエール社が機械を販売するのではなく、契約した技師に貸し出し、撮影したフィルムをリュミエール社に送付するというシステムを取ったという点が大きい。

 また、リュミエール社が元々、フィルムの感光乳剤で財を成した会社であり、フィルムの制作も行っていたという点も大きい。当然、フィルムの管理についての知識も豊富であったことだろう。すでに大きな企業となっていたために、フィルムの保管に必要な設備を整える財力があったという点も見過ごすことはできない。