フランス・ゴーモン社の映画製作

 ゴーモン社の映画製作責任者であったアリス・ギイはこの年、結婚を機にフランスからアメリカへと渡っている。

 代わりにゴーモン社の映画製作で中心的人物となったのはルイ・フイヤードである。フイヤードは喜劇とトリック映画を中心に多くの作品を製作したが、フイヤードの作品はメリエス流のトリック映画とは少し異なった。舞台にこだわったメリエスに対し、フイヤードは街頭や野外を使って製作した。そして、フイヤードはトリック映画を喜劇と融合させた。このような変更によって、トリック映画というジャンルは消滅していくことになる。

 ちなみにフイヤードはこの年、「磁石になった男」(1907)「ある自動車事故」(1907)といった作品を製作している。

 また、かつてゴーモン社に在籍していたヴィクトラン・ジャッセは、この年にエクレール社に入社している。