イギリス ロバート・ウィリアム・ポールの作品 1903年
「A Chess Dispute」
イギリスの映画製作者、ロバート・ウィリアム・ポール監督作。
チェスをしている2人の男性。片方がいんちきをして殴り合いのけんかになる。
展開自体は取り立てて面白みはないが、おもしろいのは演出。画面下の見えないところで殴り合いが行われ、帽子やサスペンダーが飛び交うのだけが見える。最後に執事と思われる人物が2人を引き上げると、顔はあざだらけになっている。
見えないところで殴り合いをさせることで、見るものの想像力を掻き立てるようになっている。結果はありがちだとしても、演出は当時としては斬新だ。見せるための映画が、あえて見せないことでも魅力を持つことは、後の数々の映画が証明してみせてくれる。
「An Extraordinary Cab Accident」
イギリスの映画製作者、ロバート・ウィリアム・ポールによる作品。
馬車に轢かれて死んだと思われた男性だが、起き上がって走り去る。
ジョルジュ・メリエス流のストップモーションを使ったトリック映画。同じくイギリスのヘップワースの作品もそうだが、トリックをブラックユーモアに昇華している点が特徴的。似た内容のヘップワースによる「Explosion of a Motor Car」の方が製作年は前だが、よりブラックユーモアが効いている。見比べてみるのも面白いかもしれない。
(DVD紹介)
「The Movies Begin - A Treasury of Early Cinema, 1894-1913」
初期の映画を多く見ることができる5枚組みのDVD。リュミエール兄弟、エジソン社、ジョルジュ・メリエスを始め、イギリスのブライトン派と呼ばれた人々など、日本ではなかなか見ることができない作品を見ることができる。
アメリカのamazonから輸入して買うことができるが、もちろん英語。それでも買いたいと思う人は、下記サイトが参考になります。
http://dvd.or.tv/
注意!・・・「リージョン1」のDVDです。「リージョン1」対応のプレイヤーが必要です。