1903

 「LIFE AND PASSION OF CHRIST(イエス・キリストの生涯と受難)」(1903−1905)

「LIFE AND PASSION OF CHRIST(イエス・キリストの生涯と受難)」(1903−1905) フランスのパテ社が製作。パテ社の製作責任者だったフェルディナン・ゼッカと、パテ社で監督していたリュシアン・ノンゲの2人によって製作された。 1902年から製…

 アメリカン・ミュートスコープ・アンド・バイオグラフ社の作品 1903年(2)

「PANORAMA FROM THE TOWER OF THE BROOKLYN BRIDGE」 アメリカン・ミュートスコープ・アンド・バイオグラフ社による作品。 ブルックリン・ブリッジのワイヤーを吊る鉄柱の上からニューヨークの街並みを撮影。どのようにして撮影したのかが気になる。かなり危険…

 アメリカン・ミュートスコープ・アンド・バイオグラフ社の作品 1903年(1)

「AT THE FOOT OF THE FLATIRON」 アメリカン・ミュートスコープ・アンド・バイオグラフ社(後にバイオグラフ社となる)の作品。 その形状から「FLATIRON(アイロン)」と名付けられたニューヨークのビルの前の通りの様子を撮影。風が強い中を、帽子を被った多…

 フランス ゴーモン社の作品 1903年

「COMMENT MONSIEUR PREND SON BAIN」(1903) 英語題「HOW MONSIEUR TAKES HIS BATH」 製作国フランス Société des Etablissements L. Gaumont 監督アリス・ギイ 1人の男性が風呂に入るために服を脱ぐが、脱いでも脱いでもなぜか再び服を着た状態にな…

 イギリス ウォルター・ハガーの作品 1903年

「A Desperate Poaching Affray」 イギリスの映画製作者、ウォルター・ハガーによる作品。 犯罪者と思われる2人組が森の中を逃げる。 単純に逃げるだけではなく、途中で犯罪者による警官射殺や、川での乱闘などといった、逃げる過程における様々な困難や出…

 イギリス セシル・M・ヘップワースの作品 1903年

「ALICE IN WONDERLAND」 製作国イギリス 監督・製作・脚本セシル・M・ヘップワース 監督パーシー・ストウ 原作ルイス・キャロル 「不思議の国のアリス」の初めての映画化作品。 9分弱の短い時間に、大きくなったり小さくなったりするアリスを映像トリックを…

 イギリス ジョージ・アルバート・スミスの作品 1903年(2)

「Mary Jane's Mishap」(メアリ・ジェーンの災難) イギリスの映画製作者、ジョージ・アルバート・スミスによる作品。 ずぼらなメアリ・ジェーンは、かまどに灯油を入れて爆発させ、吹き飛んでしまう。彼女の墓に人々が追悼に訪れているところに、メアリの幽…

 イギリス ジョージ・アルバート・スミスの作品 1903年(1)

「Sick Kitten」 イギリスの映画製作者、ジョージ・アルバート・スミスによる作品。 少女が病気の猫に薬を飲ませてあげる。 少女と猫などが映った全体のショットから、薬を飲ませるときにクロースアップになる。クロースアップへの移行は非常にナチュラルだ…

 イギリス ロバート・ウィリアム・ポールの作品 1903年

「A Chess Dispute」 イギリスの映画製作者、ロバート・ウィリアム・ポール監督作。 チェスをしている2人の男性。片方がいんちきをして殴り合いのけんかになる。 展開自体は取り立てて面白みはないが、おもしろいのは演出。画面下の見えないところで殴り合…

 エジソン社の作品 1903年(2)

「UNCLE TOM’S CABIN(アンクル・トムの小屋)」 有名な小説「アンクル・トムの小屋」の映画化。 舞台を撮影するスタイルで撮影されている。流氷に乗って逃げるシーンなどでは、舞台での表現をそのまま活用している。演じているのも実際に舞台で上演していた…

 エジソン社の作品 1903年(1)

「ELECTROCUTING AN ELEPHANT」 象を感電死させる様子を撮影。 コードでつながれた象に電気が通され、体から煙が上がり、崩れ落ちていく様子はけっこうショッキングだ。 「LIFE OF AN AMERICAN FIREMAN(アメリカ消防夫の生活)」 エドウィン・S・ポーター…

 日本映画(1903年)

以前に、義和団事件のニュース映画を撮影した吉沢商店はこの年、有名人の葬式や博覧会や観艦式などニュース映画を撮影していく。また、外国からも積極的にフィルムを輸入し、作品のストックを増やしていった。豊かな作品のストックから、吉沢商店では長期興…

 映画評「大列車強盗」(2)

「大列車強盗」の最も特筆すべき部分を挙げるとすれば、それは空間の広がりについてだろう。ジョルジュ・メリエスの作品を見ていると、アイデアの豊かさを楽しむことはできるが、空間の広がりを感じられない。メリエスの場合は舞台で演じられているものを撮影…

 映画評「大列車強盗」(1)

エドウィン・S・ポーター監督による歴史的な作品。エジソン社製作。この作品は、強盗が観客に向かって発砲するショットがあまりにも有名になりすぎている感がある。観客に向かって発砲するショットが、映画がまだ物語を語ることと、観客自体が見世物である…

 その他の状況

ロシアでは、1903年〜1904年にかけて、「エレクトロテアトル(電気館)」と呼ばれる映画館が各地に誕生している。 イタリアでは、1903年頃までに、ほとんどの都市に映画館が出来ていた。巡回興行者たちも増え、イタリア製映画への需要が生まれて…

 ハリウッドの立役者の胎動

後にパラマウント社のトップとして活躍するハリウッドの立役者の一人であるアドルフ・ズーカーが、他の協力者とともにニューヨークにペニー・アーケードをオープンさせる。ペニー・アーケードとは、1ペニー(1セント)で楽しめる娯楽を集めた施設のことだ…

 パテ社(1903)

数の面で市場の需要に応えていたフランスのパテ社は、この年も様々な作品を製作している。 パテ社が製作した作品の種類は多岐に渡る。再現されたニュース映画の分野では、「マケドニアの殺戮」「レオ十三世の逝去」「ピウス十世の即位」といった作品が製作さ…

 ジョルジュ・メリエス(1903)

前年(1902)に、「月世界旅行」という現在でも名声を得ている作品を制作したメリエスはこの年、「妖精の王国にて」「地獄のファウスト」といった作品を制作している。 「妖精の王国にて」については、ジョルジュ・サドゥールが「世界映画全史」の中で「…

 イギリス映画の状況(1903)

イギリスでは、ウォーリク社やアーバン社といった会社がニュース映画やドキュメンタリー映画を製作しはじめる。特にアーバン社は世界中にカメラマンを派遣して、「セルヴァン登頂」(1903)「デリーの謁見所」(1903)といったドキュメンタリーを撮…

 エドウィン・S・ポーターの活躍

この年、エジソン社に所属していたエドウィン・S・ポーターは「アメリカ消防夫の生活」と「大列車強盗」「アンクル・トムの小屋」という3本の作品を監督している。 ポーターは1900年頃にエジソン社に入社した人物で、映写技師などを務めた後に監督を努…