イギリス ロバート・ウィリアム・ポールの作品 1904年
Buy Your Own Cherries
イギリスの映画製作者、ロバート・ウィリアム・ポールによる作品。
バーで酒を飲みチェリーを食べる労働者階級の男性だが、紳士にばかりいい顔をする女性店員に腹を立てて、家でもいらいらを妻にぶつける。だが、怖がる子供たちを見て改心する。チェリーを自分で買って食べるようになった労働者階級の男性には今や、家に帰ると暖かい家庭が待っているのだった。
非常に教訓的な作品で、マジック・ランターン(幻燈劇)でも同じような題材の作品があったという。また、ドメスティック・バイオレンスを扱った最初期の作品としての指摘をしている人もいた。
私が一番興味を惹かれたのは、タイトルにもなっているチェリーが伏線としてうまく使われていること。といっても、単純な使われ方なのだが、この当時の作品でこれほどうまく使った作品はなく、映画が単純に映像を見せるだけではなく、物語を語るようになっていく変遷の一端を垣間見ることが出来る。
(DVD紹介)
「The Movies Begin - A Treasury of Early Cinema, 1894-1913」
初期の映画を多く見ることができる5枚組みのDVD。リュミエール兄弟、エジソン社、ジョルジュ・メリエスを始め、イギリスのブライトン派と呼ばれた人々など、日本ではなかなか見ることができない作品を見ることができる。
アメリカのamazonから輸入して買うことができるが、もちろん英語。それでも買いたいと思う人は、下記サイトが参考になります。
http://dvd.or.tv/
注意!・・・「リージョン1」のDVDです。「リージョン1」対応のプレイヤーが必要です。