エジソン社の作品 １９０６年（１）

　１９０６年頃にはニッケルオデオンブームが起こり、多くのフィルムが必要とされたが、エジソン社はその需要を満たす作品数を製作できないでいた。

「THE DREAM OF A RAREBIT FIEND（レアビット狂の夢）」

　酒を飲みすぎた男が、部屋の中のものが自分から動いたり、ベッドに乗ったまま空を飛ぶ夢を見る。

　ストップモーションで物を動かしたり、二重露出で空を飛ぶところを見せたりという特殊撮影も面白いのだが、最もおもしろいと思ったのは酔っ払った様子を映像化したシーン。カメラを振り回して撮影された町並みと、千鳥足で歩く男の様子が二重露出で撮影されている。外から見た酔払いの様子と、酔払い自身の視点から見た町並みの様子が同時に描かれているのだ。まるで手持ちカメラで撮影されたかのような撮影は、時代を先取りしているように感じられた。

　ウィンザー・マッケイの漫画の設定を変えたものだという。漫画の内容を活かすために行われた特殊撮影のために、撮影には８週間が費やされたという。

　エドウィン・Ｓ・ポーターとウォレス・マッカッチョン監督作品。

「THREE AMERICAN BEAUTIES」

　赤い薔薇（品種名「アメリカン・ビューティ」）、薔薇を手に持った女性、星条旗が映し出される。

　１分の短いフィルム。着色がされており、薔薇は見事な赤を見せてくれる。また、星条旗はストライプになっているため、着色が難しいのではないかと思うが、はみ出ることなくきちんと着色されている。

　この作品はプログラムの最後に上映されることが多かったという。

　エドウィン・Ｓ・ポーターとウォレス・マッカッチョン監督作品。

（ＤＶＤ紹介）

Edison: Invention of the Movies [DVD] [Import]

映画初期のエジソン社製作の映画を大量に見ることができる４枚組ＤＶＤ−ＢＯＸ。各作品についての解説（英語）もあり、かなり親切な作りになっている。

注意！・・・「リージョン１」のＤＶＤです。「リージョン１」対応のプレイヤーが必要です。