アメリカ   ポーニー・ビル・カンパニーの作品 1912年

バッファロー・ビルの生活」

 製作国アメリカ 原題「THE LIFE OF BUFFALO BILL」 ポーニー・ビル・カンパニー製作
 監督・出演ポール・パンツァー 出演ウィリアム・F・コディ、ウィリアム・ジェームズ・クラフト

 西部開拓時代に活躍し、後にウェスタン・ショーの主宰者としても知られるバッファロー・ビルが、駅馬車強盗の阻止やネイティブ・アメリカンとの戦いなどを思い出すという構成になっている。老いたバッファロー・ビルは本人が出演している(ウィリアム・F・コディはバッファロー・ビルの本名)。

 当時はまだ西部開拓時代を生きた人々が生きていた。例えば、OK牧場の決闘で知られるワイアット・アープはが亡くなったのは1929年だし、バッファロー・ビルも1917年まで生きていた。この作品は、バッファロー・ビルと同じように西部開拓時代を生きた人々が見たら、バッファロー・ビルと一緒に往時を懐かしんだことだろう。映画が、懐古的な気持ちを満たす手段としても使うことができる最初期の例証とも言える。

 アクションは工夫に欠け、「大列車強盗」(1903)の方が、列車上の格闘など様々な工夫がされていたほどだ。だが、そんなことは、バッファロー・ビルという存在だけで吹き飛んでしまう。西部開拓時代と当時を結び付ける試みがされているということが、この作品の最大の特徴であり、魅力である。