D・W・グリフィスの作品 1912年(8)

「FRIENDS(友達)」

 D・W・グリフィス監督作品。バイオグラフ社製作。

 ある金鉱の町。美しい女性ドラの恋人であるダンディ・ジャックは、北部へと出かけてしまいしばらく戻らない。その間にドラは、ジャックの友達であるファロンと婚約してしまう。町に戻ってきたジャックはそのことを知り、身を引く。だが、ジャックとファロンの友情は変わらないのだった。

 ストーリーとしてはたいしたことはない。注目すべきはドラを演じているメアリー・ピックフォードの扱われ方だろう。ピックフォードは最初と最後に、ストーリー的には意味のないクロース・アップで撮影されている。ピックフォードの人気が高まっていたための観客へのサービスということだろうか?

 もう1点注目すべきは、音を編集で表現していることだ。当然ながらサイレントのこの作品は、効果音を「聞く」ことができない。だが、2階でドラが床を踏み鳴らし、1階にいるジャックがその音に気付いて「やれやれ」という表情をすることで、まるでドラが床を踏み鳴らす音が聞こえてくるようだ。このあたりに、グリフィスの演出力を感じる。

 ちなみに、ジャックを演じているのは、ライオネル・バリモア。



「Biograph Shorts 」

 バイオグラフ社監督時代のD・W・グリフィスの作品を集めた2枚組DVD。ほぼ15分程度の短編が、全23作品収められている。デビュー作「ドリーの冒険」も収録。

 アメリカのamazonから輸入して買うことができるが、もちろん英語。それでも買いたいと思う人は、下記サイトが参考になります。

http://dvd.or.tv/


注意!・・・amazonでは「リージョン1」となっていますが、私が持っている日本国内用の「リージョン2」のプレーヤーでも再生できました。リージョンは「オール」と思われますが、実際に購入して見られなくても責任は負いません。