連続映画 カスリーンの冒険

 1911年にフランスで製作された「ジゴマ」など、連続映画は大衆の人気を得ていたが、1913年にはアメリカにおける連続映画である「キャスリンの冒険」がシーリグ社によって製作、公開されている。猛獣映画を得意としていたシーリグ社の作品だけあって、ヒロインがライオンやトラに襲われそうになるのが見所だった。「シカゴ・トリビューン」紙が連載小説を連載し、前の週に掲載された小説をシーリグ社が「カスリーンの冒険」(1914)として連続映画で公開した。この手法により「シカゴ・トリビューン」は紙数を増し、ライバル新聞(ウィリアム・ランドルフ・ハースト系の新聞)も同じ手法で対抗していくことになる。



(映画本紹介)

無声映画芸術への道―フランス映画の行方〈2〉1909‐1914 (世界映画全史)

無声映画芸術への道―フランス映画の行方〈2〉1909‐1914 (世界映画全史)

映画誕生前から1929年前までを12巻にわたって著述された大著。濃密さは他の追随を許さない。