エジソン社の作品 1913年(2)

「THE AMBASSADOR’S DAUGHTER」

 エジソン社製作、ジェネラル・フィルム社配給。Charles Brabin監督。

 大使に送られたてた重要な文書を、スパイが盗み出す。大使の娘はスパイの後を追い、文書を取り戻す。

 文書の内容は関係ない。アルフレッド・ヒッチコックの言うところのマクガフィンの役割を果たしている。14分という短い時間のため、それほど捻りのきいたアクションやサスペンスはないものの、後に数多く作られるタイプの映画であり、物語の発想自体はこの頃からあったことを知ることができる。

 この頃になると、多くの役者が繰り返し起用されていることから、顔馴染みの感覚が生まれてくる。当時、すでにスターシステムは形成されていたが、エジソン社の映画にもその一端を垣間見ることができる。

 主人公の大使の娘は若い設定と思われるが、映像では少し年が上に見える。D・W・グリフィスは当時の撮影技術が女性の年齢を高めに見せることから、10代の女性に20代の役柄を与えたといわれている。グリフィス以外の作品を見ると、グリフィスの考えが正しいことがわかる。

 少し複雑なストーリーなのだが、うまく処理されていて、この頃には映画話法が完成されつつあることを示している。




(DVD紹介)

Edison: Invention of the Movies [DVD] [Import]

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映画初期のエジソン社製作の映画を大量に見ることができる4枚組DVD−BOX。各作品についての解説(英語)もあり、かなり親切な作りになっている。

注意!・・・「リージョン1」のDVDです。「リージョン1」対応のプレイヤーが必要です。