マックス・ランデーの作品 1913年

「MAX TAKE A PICTURE」

 製作国フランス パテ・フレール製作・配給 脚本・出演マックス・ランデー

 マックスは海で泳ぐ女性の写真を撮ろうとするが、女性は嫌がって海に潜って消えてしまう。

 映画界の最初期のコメディアンの1人であるマックス・ランデーの作品。チャールズ・チャップリンは自らランデーの影響を受けていると語っているが、この作品のランデーは動きで笑いを取っていない。それよりも、ワン・アイデアのストーリーで笑いを取ろうとしている。

 水着の女性は、後のマック・セネットのアイデアによる「水着美人」を思わせる。アメリカとフランスの違いはあっても、セックス・アピールは人びとを引きつけることの1つの証明とも言える。


「LOVE'S SURPRISES」

 製作国フランス パテ・フレール製作・配給 監督・脚本・出演マックス・ランデー

 マックスはある女性に元に密会に向かうが、別の男が現れて隠れる羽目に陥る。

 よくある設定のコメディだが、密会にやって来る男たちがみんな同じ夕食から抜け出てきた顔見知りだったというのがスパイスとして加えられている。3人がそれぞれ隠れた場所で、痛い目に遭うという視覚的なギャグもあり、7分という短い時間を楽しむには十分だ。


「LE CHAPEAU DE MAX」(1913)

 英語題「MAX’S HAT」 製作国フランス パテ・フレール製作・配給
 監督・脚本・出演マックス・ランデー

 婚約者の家に行くマックスだが、なぜか帽子にことごとく災難が起こり、何度も帽子を買う羽目に。やっと婚約者の家に着いたと思ったら、犬が帽子の中に小便をしてしまう。そこに現れたマックスの父親が、帽子を被ってしまい・・・。

 この作品は面白い。オチが効いている。考えてみると、アメリカのスラップスティック・コメディにおいて、(犬とはいえ)排泄物を使ったギャグはない。その点でも、この作品の独自性が分かるというものだ。緩やかなギャグや状況の面白さで見せるランデー作品において、締めのギャグとしても効果的に機能している。