ルイス・セルズニックと寝椅子方式

 ハリウッドの大立者の話題が出てきたときに、なかなか話題に上らない人物にルイス・セルズニックがいる。セルズニックというと「風と共に去りぬ」(1939)の製作者であるデヴィッド・O・セルズニックが有名だが、そのデヴィッドの父親である。宝石商から映画製作者となったルイス・セルズニックは、1914年頃から「配役を決めるための寝椅子方式」(若手の女優たちを裸にして寝椅子に寝かせてのオーディション)を行ったとも言われている。

 ユニヴァーサルのカール・レムリの下で働いているうちに頭角を現し、「コロムビア」を設立したハリー・コーンも、「寝椅子方式」を熱心に取り入れたとされている。



(映画本紹介)

無声映画芸術への道―フランス映画の行方〈2〉1909‐1914 (世界映画全史)

無声映画芸術への道―フランス映画の行方〈2〉1909‐1914 (世界映画全史)

映画誕生前から1929年前までを12巻にわたって著述された大著。濃密さは他の追随を許さない。