キーストン時代のチャップリンの作品「他人の外套(逢い引きの場所)(他人のコート)」

 チャーリーはポケットに哺乳瓶を、別の男はポケットにラブレターを入れてレストランへ行く。チャーリーと男はそこでやり合った後、それぞれ間違って相手の外套を持って帰ってしまう。チャーリーは奥さんにラブレターを見られ大目玉。外へ逃げると、男とまた出会ってやり合う。男の奥さんもポケットの哺乳瓶を見つけ隠し子がいると勘違い。2組の夫婦が入り乱れるドタバタとなる。

 この作品は、ストーリーが重視されている点で、キーストン時代のチャップリン作品の中でも異色を放つ。キーストン時代では、この作品のほかには「新米雑役夫」(1914)くらいがストーリーに大きな配慮が払われた作品だ(長篇の「醜女の深情け」は除く)。しかも、この作品のラストではちょっとしたオチまでついて、見事にストーリーとして収まっている。他のキーストン作品では、エンドレスのドタバタで終わるものも多いのだが。


チャップリン・ザ・ルーツ 傑作短編集・完全デジタルリマスター DVD-BOX

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チャップリン DVD-BOX 涙と笑いの玉手箱~初期傑作集~

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