エッサネイ時代のチャップリンの作品「チャップリンの駆落」

 恋人のエドナに伯爵との縁談が持ち上がる。邪魔をするために、チャーリーは伯爵に扮してエドナの父親の前に現れるが、本物の伯爵が現れてばれてしまう。エドナはチャーリーと逃げ出し、カーチェイスに発展する。

 これまでのチャップリン映画ではほとんどの場合、チャーリーはただの女性好きとして描かれてきた。妻がいても他の女性に目を向けたりした。しかし、この映画では少し違う。チャーリーはエドナという女性と愛し合っており、愛を勝ち取るために戦うのだ。この作品のギャグはこれといって優れたものはないと思うし、カーチェイスも工夫を凝らされたものとは言えずキーストン時代を踏襲したものといえるが、目的が違う。

 ここにはドラマがある。その意味で内容的にはそのほかの作品と似ているが、それまでとは一味違った作品となっている。

チャップリン・ザ・ルーツ 傑作短編集・完全デジタルリマスター DVD-BOX

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