エッサネイ時代のチャップリンの作品「チャップリンの仕事」

 馬の代わりに、塗装道具の乗った荷車を引くチャーリー。着いた先の家の壁紙を張り替えが、うまくいくわけがなく、変な男も加わってドタバタ劇となる。

 チャーリーが荷車を引く序盤が素晴らしい。急な坂を引っ張るシーンをロングで捉えた構図が素晴らしく、いっぺんに重労働が伝わってくる。また、街中で荷車を引くシーンでは、チャーリーを真正面から捉え、珍しくカメラは後ろに引きながらチャーリーを撮影している。チャップリンが構図や撮影方法に気を使っていることがわかる。

 壁紙の張替えが始まってからは、キーストン調のドタバタが繰り広げられ、ラストはガス爆発によってすべてが終わる。このオチは、この後ドリフターズのコントなどでも使われるオチの王道ともいえるものだ。


チャップリン・ザ・ルーツ 傑作短編集・完全デジタルリマスター DVD-BOX

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