エッサネイ時代のチャップリンの作品「チャップリンの女装」

 公園で1人の男性といざこざを起こすチャーリー。その後、エドナという女性に気に入られて家に遊びに行き、父親に紹介されるが、父親は先ほど公園でいざこざを起こした男性だった。逃げ出すための苦肉の策として、チャーリーはエドナの服を着て女装することとなる。

 基本はキーストン社作品のような他愛もないことから始まるドタバタで、そこにチャップリンの女装というスパイスを加えている。女装したチャーリーをエドナの父親は気に入ってデレデレになるのだが、そこまで美人だとは思えなかった。

 キーストン社時代と違うのは、勢いだけではなく細かい芸ともいえるギャグがあるところ。たとえば、トルソーから服をとるときに、女性を脱がせるようにちょっと照れながらいやらしくとる仕草などは、チャップリンならではのもので女装よりも見所だといえるだろう。

チャップリン・ザ・ルーツ 傑作短編集・完全デジタルリマスター DVD-BOX

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