映画評「KENO BATES, LIAR」

 製作国アメリカ 別題「THE LAST CARD」
 ケイ=ビー・ピクチャーズ製作 ミューチュアル・フィルム配給
 監督・出演ウィリアム・S・ハート 製作・脚本トマス・H・インス 脚本J・G・ホークス
 出演ハーシェル・メイオール、マーガレット・トンプソン、ルイズ・グローム

 酒場を経営しているベイツは、強盗に入った男を追い、正当防衛で射殺する。男の持ち物から、男の妹ドリスが男を頼って町にやって来ることを知ったベイツは、男は自分のパートナーだったと嘘をつき面倒を見る。いつしか恋に落ちる2人だが、2人の仲に嫉妬をした踊り子が男を殺した真犯人をドリスに言ってしまう。

 展開はハート作品の典型だが、キャラクターが少し違う。ハート演じるベイツは決して悪人ではない。また、他のハート作品と比べると、ドリスは気性が荒い。

 この作品もそうだが、初期のハートの作品はハッピー・エンドのものも多い。ハートが悪人としての重みを背負ったキャラクターを本格的に演じるのはもう少し先の話だ。