トマス・H・インス製作の作品「THE LAST OF THE LINE」

 製作国アメリカ ドミノ・フィルム・カンパニー製作 ミューチュアル・フィルム配給
 監督ジェイ・ハント 脚本トマス・H・インス、C・ガードナー・サリヴァン
 出演ジョー・グッドボーイ、早川雪洲、青木鶴、Stanely Bigham、グラディス・ブロックウェル

 白人の学校に通わせていた息子が、部族に戻ってくることを楽しみにしているインディアンの酋長。だが、戻ってきた息子は酒浸りになっていた。

 単純な白人とインディアンの闘いではなく、インディアン親子の問題として描かれた作品である(白人の学校に毒されたとも取れるが)。白人側/インディアン側という垣根を超えたインディアンとしての誇りを描こうとしている点で珍しい作品といえるかも知れない。最後は、父親としての酋長の哀しみも描かれている。

 酋長の息子を演じているのは、日本人の早川雪洲だ。当時の早川はインスの元で映画に出演し始めたばかりの頃である。遺伝子的に、日本人とインディアンには近いものがあるという。そう考えると、インスが早川をインディアン役に起用したのは、白人がインディアンを演じることが多かった当時においては、適役だったのかもしれない。