映画評「ALIAS JIMMY VALENTINE」

製作国アメリカ ピアレス・プロダクションズ製作 ワールド・フィルム配給

監督・脚本モーリス・トゥルヌール 製作総指揮ウィリアム・A・ブラディ 原作オー・ヘンリー、ポール・アームストロング

出演ロバート・ワーウィック、ロバート・カミングス、アレック・B・フランシス、フレデリック・トルーズデル

 ジミーは3人組窃盗団のリーダー。銀行強盗を実行するが逃亡中に逮捕されてシンシン刑務所に投獄される。刑務所の見学に来た知事の娘は、ジミーがかつて男性に絡まれた時に助けてくれたことを思い出し、ジミーは出所を許される。

 最初期のギャング映画の1つ言われるが、ジミーたち3人の仲良しぶりが見ていて微笑ましくなる作品で、殺伐な雰囲気はない。金庫から出られなくなってしまった少女を助けるために金庫破りの技術を披露して窮地に追い込まれるという展開も、それを見たジミーを追う刑事がジミーを見逃すという展開も、ギャング映画というよりは教訓話といった方がぴったりとくる。

 序盤の銀行強盗のシーンでは、天井を廃したセットでジミーたちや守衛の動きをゲームのように見せる点は、サイレント期の映像派監督として知られるトゥルヌールの面目躍如といったところ。