「不思議の国のアリス」

 原題「ALICE IN WONDERLAND」 製作国アメリ
 製作アメリカン・フィルム・マニュファクチュアリング・カンパニー
 製作・配給ノンパレイル・フィーチャー・フィルム・コーポレーション
 監督・脚本W・W・ヤング 出演ヴィオラ・サヴォイ

 「不思議の国のアリス」の映画化作品。現存しているフィルムは完全ではなく、失われた部分が多くあるという。

 固定のカメラから舞台を撮影するような手法で撮られており、全体的に有名な場面の絵巻物的な印象を受けた。長い字幕でストーリーを語っているという点も、絵巻物的な印象を強める。

 映画は当初から有名な小説や舞台を映画に取り込んできた。その多くは、見る者がストーリーを知っている前提で、有名な場面を映像化するという手法だった。「不思議の国のアリス」の、同様の手法で作られている。

 注目すべきは有名なジョン・テニエルによる挿絵を参考(模倣?)していると思われる数々の動物たちの着ぐるみたちだろう。これらの放つシュールな魅力が、この映画を救っている。

不思議の国のアリス 1903-1915 [DVD]

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