L−KO社の短編コメディ「LIVE WIRES AND LOVE SPARKS」
L−KO社製作
かつてキーストン社に所属し、チャップリンの作品も監督したこともあるヘンリー・レーアマンが監督、ビリー・リッチー主演。
チャールズ・チャップリンが演じて世界的な名声を得た浮浪者の扮装とそっくりなビリーは、4人の子供を養うのが精一杯。ちょっかいを出した隣に住む奥さんの旦那に追いかけられたり、浮気を疑う妻に追いかけられたりというドタバタが繰り広げられる。
ビリー・リッチーは、チャップリンと同じミュージック・ホール出身のコメディアンで、チャップリンが映画で演じて人気を集めたキャラクターは、もともとはリッチーが舞台で演じたものだと自ら申し立てていたという。
キャラクターのオリジナリティについての真偽はよくわからないが、この作品を見ていると「どちらが先」ということは、どうでもよい問題であるということがよくわかる。
リッチー演じるキャラクターの見た目はチャップリンとほぼ同じだし、キーストン社やエッサネイ社時代のストーリーとそれほど大差はない。しかし、この作品の主人公は、魅力的ではない。チャップリンは、独特の歩き方やカーブの曲がり方、蹴り方・殴り方、笑い方などを積み重ねてキャラクターに魅力を与えていった。そして、身に付いた魅力は紛れもなくチャップリンのものであり、それは見た目がどうのこうのといった部分を超えたものなのだということが、この映画を見るとわかる。
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