映画評「BOUT DE ZAN AND THE SHIRKER」

 ゴーモン社製作 ルイ・フイヤード監督

 当時、子役を主人公にした短編コメディである「ブー・ド・ザン」シリーズが、ゴーモン社で製作されていた。この作品は、その「ブー・ド・ザン」シリーズの1本である。ちなみに、「ブー・ド・ザン」役の少年は、同じくゴーモン社製作でルイ・フイヤードが監督した連続映画「LES VAMPIRES」(1915)のエピソードのひとつにも出演している。

 ブー・ド・ザンは叔父さんが射撃の腕前を自慢しているのを聞く。次の日、ウサギのぬいぐるみを持ってブー・ド・ザンが森の中に隠れ、叔父さんはそのぬいぐるみを撃つ。しかし、ぬいぐるみには「そんなに射撃がうまいなら、何で戦争に行かないの?」というメモがついており、叔父さんはすぐに登録に行く。

 8分弱の小編。動きよりもストーリーに頼ったコメディで、それほど面白いとは感じなかった。ブー・ド・ザン役の子供は可愛らしく、人気があったのはわかるような気はする。オチには第一次大戦中というご時勢を感じる。当時の映画は、この作品のようなコメディにも時代の影響を受けていたのだ。