上昇を続けるメアリー・ピックフォードの給料

 巻き毛の少女役で大衆の人気を確固たるものにしていたメアリー・ピックフォードはこの年、セシル・B・デミル監督の「小米国人」「THE ROMANCE OF THE REDWOODS」「小公女」(1917)や、モーリス・トゥルヌール監督の「金持ちの哀れな少女」(1917)、マーシャル・ニーラン監督の「農場のレベッカ」(1917)などに出演している。少女を演じるのを得意としていたピックフォードは「金持ちの哀れな少女」では11歳の少女を演じている。

 ピックフォードはこの頃から「アメリカの恋人」と呼ばれるようになり、アメリカを代表するスターとなり、給料もうなぎのぼりだった。たとえば、「THE ROMANCE OF THE REDWOODS」の全製作費は13万5千ドルだったが、そのうちの9万6千ドルはピックフォードへ支払われたといわれている。

 またこの頃ピックフォードは、俳優のオーウェン・ムーアと結婚していたが、ムーアが酒びたりとなったために愛想をつかし、後に結婚することとなるダグラス・フェアバンクスと付き合い始めたという。

 ちなみに、メアリーの弟であるジャック・ピックフォードも役者として活躍し、メアリーと同じパラマウント配給の映画に主演した。この年は、「トム・ソーヤー」(1917)などに主演している。



(映画本紹介)

スターダム―ハリウッド現象の光と影

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無声映画芸術の開花―アメリカ映画の世界制覇〈1〉1914‐1920 (世界映画全史)

無声映画芸術の開花―アメリカ映画の世界制覇〈1〉1914‐1920 (世界映画全史)

無声映画芸術の開花―アメリカ映画の世界制覇〈2〉1914‐1920 (世界映画全史)

無声映画芸術の開花―アメリカ映画の世界制覇〈2〉1914‐1920 (世界映画全史)