映画評「ドーグラスの現代銃士」

 原題「A MODERN MUSKETEER」 製作国アメリ
 製作ダグラス・フェアバンクス・ピクチャーズ 配給アートクラフト・ピクチャーズ・コーポレーション
 監督・脚色アラン・ドワン 製作・出演ダグラス・フェアバンクス

 デュマ原作「三銃士」のファンである母親に育てられたカンザス出身のネッドは、冒険を求めてグランド・キャニオンへと向かう。

 「三銃士」のダルタニアンが酒場で起こすケンカのシーン、ネッドが生まれた日に起こったというサイクロンで町が破壊されるシーンと、冒頭はフェアバンクスのアクションの楽しさやスペクタクルで楽しませてくれる。後に、「三銃士」(1921)でダルタニアンを演じるフェアバンクスは、生き生きとダルタニアンを演じている。

 現代のシーンになった後も、ひとっ飛びで馬に乗って見せたりと、ちょっとしたシーンでフェアバンクスは身体能力の高さを見せてくれるし、常に笑顔で快活な動きを見せる姿は活力に溢れている。だが、現代のシーンのストーリーは、単純なヒロイン誘拐ものである。グランド・キャニオンが背景として魅力を放っているものの、ストーリーの平凡さは救えていない。