ジャック・ピックフォード主演作「TOM SAWYER」
オリヴァー・モロスコ・フォトプレイ製作 パラマウント・ピクチャーズ配給
監督ウィリアム・デズモンド・テイラー 製作ジェシー・L・ラスキー 原作マーク・トウェイン
主演ジャック・ピックフォード
有名なマーク・トウェイン原作の映画化。ミズーリの田舎町を舞台に、勉強は出来ないが元気で機知に富んだ少年であるトム・ソーヤーの活躍を描く。
原作の前半部分をかなり忠実に描いており、うまく言いくるめてペンキ塗りの仕事を友達にやらせたりといった、トムの頭の良さを示すようなエピソードもきちんと描かれている。だが、この作品で描かれるのは、映像的に魅力的な部分は多くない。冒険的な部分が多い後半部は、翌年「HUCK AND TOM」(1918)として、ほぼ同じスタッフ・キャストで製作されている。この作品は60分だが、小説全編を描くのは時間的に長くなりすぎるという判断からではないかと思われる。
主演のジャック・ピックフォードは、メアリー・ピックフォードの弟である。当時20歳を過ぎていたジャックは、トム・ソーヤーを演じるには少し大人になりすぎている感はある。それでも、さほど違和感なく見ることができた。
国民的作家による国民的小説の映画化としては、そつなく製作された映画と言えるのではないだろうか。見た後さわやかな気持ちになったのは、原作が持つストーリーのパワーのおかげかもしれないが。
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