映画評「49-17」

 ユニヴァーサル・フィルム・マニュファクチュアリング製作・配給
 監督・脚本ルース・アン・ボールドウィン

 判事を引退したブランドは、今はゴーストタウンとなっている、かつて黄金を手にした思い出の町を買い取り、西部劇ショーの一団を雇う。ブランドを迎え入れる準備のために、秘書のトムが派遣され、トムはそこで美しい娘に恋をするが、同じく娘を気に入っていた劇団員のジムに邪魔をされる。

 ブランドが黄金を手に入れたのが1849年で、映画の舞台となるのが1917年。その差は68年の月日が流れているはずで、年齢的におかしい。といった部分はとりあえず置いて考えると、かつての思い出を取り戻すために町をまるごと買い取り、劇団員を雇うという着想は面白い。だが、最終的には劇団員の中に普通に悪いやつがいて、秘書と若い娘が恋をしてというありきたりの展開になってしまうのが残念だ。1917年には、まだワイアット・アープに生きており、まだ西部劇の時代と地続きだった。そういった時代を反映した内容であるとは言えるだろう。

 ちなみに、この作品は女性監督のルース・アン・ボールドウィンによって監督されている。当時は女性監督も活躍しており、ボールドウィンはその1人である。女性監督が作った最初の西部劇映画とも言われている。