エルンスト・ルビッチ監督作「THE MERRY JAIL(陽気な監獄)」
製作国ドイツ パーグ社製作 監督・脚本エルンスト・ルビッチ
ドイツ時代のエルンスト・ルビッチ監督作品。
上流階級の夫婦が主人公。飲んだくれの夫アレックスは、警察に呼ばれているのも無視して今日もパーティに出かける。それを知った妻のアリスに加えて、メイドまでパーティへ。一方、アリスに恋をした男は、アリスに騙されて留置所に入れられる。パーティでアレックスは、妻と知らずに仮面をつけたアリスを口説くのだった。
軽い内容で、この作品より数年前に作られたキーストン・コメディでもよくあるパターンの作品だが、ドイツのオペレッタを題材にしているという。
テンポよく進むストーリーは、パーティ会場と留置場の間を軽快につなぎ、それぞれで繰り広げられる軽いドタバタを描いていく。肩の凝らない作品だ。
とはいえ、「これぞ、ルビッチ!」と唸るようなシーンは特にはない。縦の移動撮影を効果的に使ってはいるものの、唸るほどではない。
この作品は、第一次大戦中に製作されているという点が特徴的だ。上流階級を描いたこの作品のお気楽さや軽さは、不思議なくらいだ。だが、私は最初に見たときに気づかなかったのだが、パーティのシーンで女性が男装をして、ダンスの数を合わせているのが見られるという。戦争で若い男性の数が少なかったためとも言われている。
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