映画評「THE PHABLE OF A BUSTED ROMANCE」

 製作国アメリ
 コンクエスト・ピクチャーズ・カンパニー、エディソン・カンパニー製作 ジェネラル・フィルム・カンパニー配給
 監督・撮影・特殊技術ウィリス・H・オブライエン

 「ストップモーション・アニメの父」と言われるオブライエンによる10分弱の短編クレイメーション作品。

 最大の特徴は、リアルであるということだろう。もちろん、今の基準から見ると技術的には稚拙である。アニメの武器である超自然的な動きや作りを排し、現実の人間や猿や恐竜を模した造形で作り上げられている点を指している。後に、「ロスト・ワールド」(1925)や「キング・コング」(1933)といった実写映画の特殊技術について、オブライエンがうってつけだったことが、初期作品からもうかがえる。

 ストーリーも、恐竜が倒した猿人を、自分が倒したことにして愛する女性の恋心を掴むというもので、少しだけだが捻りが効いている。