「ミッキー」 マック・セネットからメイベル・ノーマンドへの恋の記念品

 この年公開された映画に「ミッキー」(1918)という作品がある。製作したマック・セネットの回想録によると、「ミッキー」は、セネットから主演のメイベル・ノーマンドへの恋の記念品のようなものなのだという。

 セネットとメイベルの2人は、何度か結婚手前まで行きながら、何度も喧嘩別れをした仲だったのだという。セネットはメイベルのために撮影所を買ってやり、メイベル・ノーマンド・フィーチャー・フィルムを作って、メイベル初の長編映画のために監督と出演者を雇ってやった。そうして完成したのが、「ミッキー」なのだ。

 1916年から1917年にかけて撮影されて1917年には出来上がったが、配給会社が見つからず公開が延びてしまい、1918年になりようやく公開されたのだった。

 こうして作られた「ミッキー」だったが、2人の関係が結婚にいたることはなかった。そしてメイベルは、1918年にセネットの元を去り、ゴールドウィン社と契約。「新ヂャン・ダーク」「森の乙女」(1918)などに出演するのだった。