映画評「SHIFTING SANDS」
製作国アメリカ
トライアングル・フィルム・コーポレーション製作
トライアングル・ディストリビューティング・コーポレーション配給
監督アルバート・パーカー 出演グロリア・スワンソン ジョー・キング
貧しい画家のマーシャは、冤罪で刑務所に入れられてしまう。刑務所から出てきたマーシャは、救世軍に入り子供の世話をするようになる。そこで、金持ちの男性ジョンと出会い、2人は結婚する。だが、ジョンの家にある秘密の文書を狙ったマーシャの過去を知る男が近づいてくる。
この頃はグロリア・スワンソンにとって、キーストン社時代に出演したコメディと、セシル・B・デミル監督のセックス・アピール映画の狭間にあたる時期である。この作品は、貧しい女性、金持ちの男性、知られたくない過去、過去を知る男性・・・と、メロドラマ的な要素を散りばめた、他にも多く作られたものだ。
ストーリー、演出は平凡だが、スワンソンの魅力には溢れている。貧しい時期は哀れを誘う可愛らしい女性を、結婚した後は時にドキっとする美しさを見せる。どちらが魅力的かと問われれば、結婚後だと私は即答する。だからこそ、セシル・B・デミルのセックス・アピール映画に抜擢されたのだろう。