映画評「ロイドのスケート」

 原題「DON'T SHOVE」 出演ハロルド・ロイド

 ロイドはローラースケート場で、レース大会に出場し、愛する女性にライバルよりもいいところを見せようとする。

 それほど面白い作品ではない。ロイドが恋敵の帽子を飛ばし、風で舞う帽子を恋敵が右往左往しながら取ろうとする(帽子はおそらくワイヤで動かされ、シュールな動きを見せる)ギャグが最も優れているように思える。

 ローラースケート場でも、ローラースケートを使って単純に考え得る範囲内のギャグ以上のものは見せてくれない。「チャップリンのスケート」(1916)で、チャップリンはドタバタにスケートを組み合わせたおもしろさを見せてくれるのだが。