スウェーデン 評価は高いが、経済的には衰退

 当時のスウェーデン映画は、いくつかの作品が海外で傑作と評価されたが、観客は呼べなかったと言われている。第一次大戦後、スウェーデンは中立国だったために利益を得たが、アメリカ映画の人気がスウェーデン映画を衰退させていった。1916年からスヴェンスカ社がアメリカのトライアングル社の映画を輸入するようになり、アメリカ映画の人気が形作られたという。その後、スウェーデン映画は国民的特徴を失っていき、1920年以降はさらにその傾向が強まった。批評家とインテリは失望し、観客を獲得することもなく、製作本数も減っていくことになる。

 また、スウェーデン映画の草創期に設立されていたノーディスク社は、1919年に巨大なスヴェンスク・フィルムインドゥストリ社が設立されたこともあり、力を失っていった。