映画評「CINDERELLA CINDERS」

 製作国アメリ
 リールクラフト・ピクチャーズ製作
 監督フレデリック・J・アイルランド 出演アリス・パウエル

 当時人気があったコメディアンヌのアリス・パウエル主演のコメディ。

 小さなダイナーで料理を作るシンデレラは、失敗ばかりでクビになる。その後シンデレラは、金持ちの家が料理人を募集していることを知って押しかけ、パーティに参加する。

 冒頭のダイナーでのギャグが面白い。音を立ててスープを飲む男たちに対して、アリスが指揮者になり、スープを飲む音で音楽を演奏しようとして見せる。さらには、ホットケーキを焼くアリスと、それを食べる男たちの様子をミュージカル映画のような振り付けで楽しませてくれる。これらのギャグは、音がついていれば、もっと楽しめるものなのが残念だが、テンポの良さを味わうことができる。

 クビになった後、料理人募集を知ったアリスと、その仕事を狙う女性たちによるチェイス・シーンは、ルーティンなものだが、女性が女性を追いかけるというシチュエーションは他にないもののように思える。ちなみに、転んだりするアクションが多いためか、追いかける女性たちの中には女装した男性も混じっている。

 金持ちの家に移ってからは、禁酒法時代が制定されたばかりの時代背景が感じられる酒を使ったギャグがあるものの、取り立てて面白いシーンはなかった。