映画評「THE FLYING HOUSE」

 製作国アメリカ リアルト・プロダクションズ製作 監督・製作・脚本・作画ウィンザー・マッケイ

 「Dreams of the Rarebit Fiend」シリーズの1つとして製作されたアニメ。女性が、夫と一緒に空飛ぶ家に乗り、宇宙へと旅に出る夢を見る。

 夢の中で空を飛ぶというのは、同じウィンザー・マッケイ原作を実写映画化した「レアビット狂の夢」(1906)でも使われた設定で、非常に分かりやすく楽しいものである。この作品も、そのライン上にある作品だが、特徴的なのは、壮大さだ。

 宇宙にまで飛んでいく描写が雄大なのだ。地球が少しずつ小さくなり、月と同じくらいに大きさになるまでを、じっくりと時間をかけて描いている。この贅沢な時間の使い方に、マッケイの演出力を感じる。

 マッケイは残念ながら、1922年で映画製作をやめてしまう。この作品を見ると、もっと撮って欲しかったという気持ちになる。